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2026.02.17

あの人を忘れたくて忘れたくて、夜ベッドで声を押し殺して泣いてしまう。

きっと、普通の恋だったのだと思う。私が彼のことを好きになって、彼が私のことを好きになって、何気なく付き合って、そういう恋。それでも私にとっては、大切な時間だった。
深夜のベランダで、彼の煙草を吸っている横で、私はのんびりと外を眺めるのが好きだった。安い賃貸アパート。二階の角部屋。それでも、夜が深まって誰もいない路地の空気は、いつも澄んでいた。

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